湿度と不調の関係
「原因はおそらく・・湿気ですね」
医師はパソコンに文字を打ち込みながらそう言った。
久しぶりに頭痛が起こり、一日経っても、二日経っても良くなるどころかズキズキが治らないので、念には念を、という意味でMRIを撮影することとなった。
もちろん様子をみてもよかったのだが、いかんせん頭の中のこと。外から見たり聴診器やエコーを当てたりしてわかる部分とは異なる。わからない状態というのは不安が大きい。もちろん費用も安くはないが、漠然とした不安を打ち消すためにも撮影をお願いすることにした。
結果はありがたいことに脳も血管も異常なしだった。
ヨガで師事した先生が「漠然とした不安を切り分けて考える。調べること、知ることからできることが見えてくる」とよく伝えてくれるが、まさにこの瞬間、○○だったらどうしよう、という感情から、さてどうしたら良いものか。という頭の切り替えができたように思う。
「なんで湿気があると、頭痛がするんですか」
東洋医学ではこの湿度が上がってくる時期に「湿邪(しつじゃ)」と呼ばれる不調が引き起こされることは知っていたが、西洋医学の観点からの意見が気になって、そう尋ねてみた。
「うーん。まだ理論的にははっきりと立証されていないんです。 ただ、水分の排出がうまくできなくなる、めぐりがよくなくなることによって不調が引き起こされると考えられます」
まさに、湿邪だ。
東洋医学と西洋医学、その境はあるようでないし、どちらもうまく取り入れていきたいなと感じながら、私は余分な水分の排出を促す漢方薬を処方してもらって、病院を後にした。
その後、水分の排出に良いとされること例えば生姜をたっぷり入れたおかずや、ナスの入ったカレー、いつものヨガに加えて少し運動量の多いサイクリング・・などいろいろ試すうち、頭痛はすーっと引いていった。
サイクリングの途中、水の張られた水田にて、稲の若苗が気持ちよさそうに風にそよいでいた。ふと目を脇にやると、水位を一定に保つためか、水を循環させるためか、勢いよく水が流れている水路があった。
めぐりが悪くなると田んぼの水は澱むし、排出が滞れば水嵩は増し稲にも影響が出るだろう。人間も田んぼも同じだな、と感じた。
ちなみにサイクリングに同行させてもらったのは、仕事でお世話になっている脳生理学の世界的権威の有田秀穂先生。
先生とお話していると、日々のストレスや疲れにさらされて疲労状態になりやすい脳をもっと大切にしたいと思えてくるし、効果的であると立証されている事柄はどんどん日々に取り入れていく必要があると感じる。
手元に残ったMRIの写真。
自分の脳に改めて挨拶をする気分で、改めてヨガやヘッドスパを通じて頭=脳=心の疲れを効果的に癒すために活動をしていきたいなという思いが心に宿った梅雨の走りの一日だった。
【やさしいヨガ】第1・3土曜日 14:00-15:15
6月のテーマは湿邪をケアする「梅雨冷え・むくみ解消」がテーマです。
体を温めながらめぐりをよくし、梅雨の時期に感じやすい冷え・むくみ・重だるさを手放しましょう!
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